同属楽器のためのアンサンブルは、均一な音色のため派手さに欠ける印象がありますが、発せられるサウンドの「密度」は、混合のアンサンブルのそれはとは大きく違うように思います。特殊管を用いず、なるべく統一された音色の世界にいかに彩りをつけられるのかを思いながら作った作品です。

小さな要素を連続して積み重ねられ大きな文様を描くのが「アラベスク」と呼ばれます。このタイトルは出来上がった後につけたものではありますが、同じフレーズを繰り返したり、その繰り返される細かいフレーズを俯瞰すると、気づかなかった「別の姿」を覗かせるかもしれません。

これはゆっくりな音楽なのか、マーチ風の音楽なのか。1小節は2つでカウントするか、4つでカウントするのか…。この曲ではわざと「曖昧な感じ」にしています、演奏時も杓子定規なカウントにならないよう、音楽の流れの中で拍子感が変わるのを感じて演奏いただければ幸いです。その際、ゆっくりなテンポにある32分音符などの細かい音符は慌てずに。アゴーギグをつけてテンポや拍子感が変わるのは歓迎ですが、拍子を端折ることがないよう留意ください。

1st Clarinet in B♭

2nd Clarinet in B♭

3rd Clarinet in B♭

4th Clarinet in B♭

5th Clarinet in B♭

Bass Clarinet in B♭