櫛田胅之扶

1935年京都生まれ。京都教育大学にて数学を専攻する傍ら、音楽科教授・福本正氏に作曲を学ぶ。卒業後、映画音楽作曲家・高橋半氏に師事するとともに、グループ「創る会」に参加し、京都楽派の一人として、広く作曲活動を始める。邦楽の家に生まれ育ったという環境で、作風は伝統的な邦楽を基調にした、日本的あるいは民族主義的な路線を徹底して採っている。1981年全日本吹奏楽コンクール課題曲『東北地方の民謡によるコラージュ』、同じく1994年 課題曲 『雲のコラージュ』をはじめ、『飛鳥』『火の伝説』『雪月花』『斑鳩の空』『元禄』など多くの日本的な作品を数える。1995年第7回世界吹奏楽祭では『舞楽』を、1996年スイス国際現代音楽祭には、委嘱を受け『秋の平安京』(京都両洋高等学校のドイツ公演でも演奏)を作曲する。他にも、宗貞啓二、下地啓二、前田昌宏各氏のリサイタルのための作品、サクソフォン・アンサンブルの作品など、管楽器を中心とした作品が多く見られる。2017年のトランペッター・班目加奈氏とのドイツ公演(和の風景)は大きな反響を呼ぶ。近年、陸上自衛隊中央音楽隊の委嘱作品、『ソプラノと吹奏楽のための万葉讃歌』『ソプラノと吹奏楽のための「映像」』は、新しいジャンルとして注目されている。

 

また、より広い作曲活動を求め、絵画・建築・写真・映像などの分野との一体化による、構造的芸術の創造を目指して取り組んでいる。作曲・編曲・指揮といった音楽分野を越えて、イヴェント・コーディネーターとして広く活躍している。元京都女子大学講師・JASRAC正会員・WASBE終身会員・JBA名誉会員。


吹奏楽作品