この作品は、福井県を中心に活躍したフルートアンサンブル「笛乙女」のメンバーで、事故で急逝された中村翔子さんの追悼作品として2014年夏に作曲された。没後2年の2015年、翔子さんの師・大久保功治氏、笛乙女のメンバー辻由記子氏、翔子さんの後輩の水谷優子氏により、福井フルートパートナーズ定期コンサート（ハーモニーホールふくい）にて初演された。生前の翔子さんのフルーティストとしての夢や、明るい人柄を音で描いたポートレートである。

演奏上のアドバイス

ニ長調の主部は、3rdがしっかり支えて和音のバランスをとる必要があります。ヘ短調で始まる中間部は、テンポが速いので、スピード感を保つように、スタッカートも固めで演奏して下さい。ダイナミックスに注意しましょう。テーマの再現予備である56小節では、たっぷり歌うと良いでしょう。この作品の真のクライマックスはラスト82小節からです。音量、音高の頂点ではなく、音楽の内面におけるクライマックスであると理解してください。（西部哲哉）

1st Flute

2nd Flute

3rd Flute