小津安二郎映画音楽ピアノ作品集(斎藤高順)【Piano】

商品番号:NSM-001

 

¥1,760

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楽曲情報

Yasujiro Ozu A Collection of Piano Works for Film Music

作曲:斎藤高順 (Takanobu SAITO)

編成:Piano

仕様:A4縦/28ページ


収録曲

1. 東京物語 ~ 主題曲と夜想曲(昭和28年 松竹作品)

"TOKYO STORY" Theme & Noctune(4:04)

 

2. 早春 ~ 主題曲(昭和31年 松竹作品)

"EARLY SPRING" Theme(2:17)

 

3. サセ・レシア 東京暮色 ~ 主題曲(昭和32年 松竹作品)

Saseresia from "TOKYO TWILIGHT"(1:58)

 

4. 彼岸花 ~ 主題曲(昭和33年 松竹作品)

"EQUINOX FLOWER" Theme(2:38)

 

5. 浮草 ~ 主題曲とポルカ(昭和34年 大映作品)

"FLOATING WEEDS" Theme & Polka(3:48)

 

6. 秋日和 ~ 主題曲とポルカ(昭和35年 松竹作品)

"LATE AUTUMN" Theme & Polka(4:20)

 

7. 秋日和より オルゴール(昭和35年 松竹作品)

Music Box from "LATE AUTUMN"(2:20)

 

8. 秋刀魚の味 ~ 主題曲とポルカ(昭和37年 松竹作品)

"AN AUTUMN AFTERNOON" Theme & Polka(3:22)


ごあいさつ

2018年春、斎藤高順のピアノ作品集がドイツのレーベルから発売されました。

 

2015年の秋頃、小津安二郎映画音楽のピアノ譜が発見されたことをきっかけに、斎藤作品のピアノ小品によるCDリリースが企画されました。斎藤作品は出版やCD化される機会が少なく、また同時代に活躍した芥川也寸志氏や團伊玖磨氏、黛敏郎氏や武満徹氏らのようにメディアで紹介されることもあまりなかったため、これまで斎藤作品の認知度は決して高くありませんでした。しかし、意外なところから斎藤作品への関心が高まりを見せ始めたのです。2012年に英国映画協会発行の映画専門誌サイト・アンド・サウンドが発表したランキングで、世界の映画監督358人が最も優れた映画に小津安二郎監督の「東京物語」を選出しました。それ以降、世界の三大映画祭ベルリン、カンヌ、ヴェネチアの各国際映画祭でもたびたび上映されるなど、小津作品はヨーロッパの映画ファンから賞賛を集めることになりました。ヨーロッパで絶大な評価を得ている小津映画の多くは、斎藤高順が音楽を手掛けた作品でした。小津監督はサ・セ・パリ(フランス)、ヴァレンシア(スペイン)、ビア樽ポルカ(チェコ)、埴生の宿(イングランド民謡)、アニー・ローリー(スコットランド民謡)などがお気に入りだったので、斎藤にもシャンソン風やマーチ、ポルカ調の曲を作るように希望しました。その結果、斎藤作品はどこかヨーロッパの雰囲気を漂わせるモダンな作風となり、ヨーロッパの聴衆にとっても親しみやすい音楽となったのではないでしょうか。

 

斎藤は戦時中、軍楽隊でマーチやポルカ、ワルツなど明るくリズミカルな曲調の吹奏楽作品を数多く作曲しました。小津監督と出会ってからは、監督が求めた「お天気のいい音楽」という要望に応え、それらは小津映画を彩る小津調サウンドとして映像に絶妙なエッセンスを加える役割を果たしたのです。そして2018年、小津調サウンドは珠玉のピアノ曲集として生まれ変わりました。斎藤高順作曲のピアノによる小津映画音楽の美しい調べを体感していただけたら幸いです。

 

斎藤高順の手掛けた小津安二郎映画音楽のピアノ譜をお届けします。

 

2018年4月 斎藤民夫